群衆の叡智サミット(WOCS2008Spring)聴講しました

先週5/21、TechStyle社の主催で開催された「群衆の叡智サミット2008 - (WOCS2008Spring)」を聴講してきました。
http://techstyle.jp/wocs/2008spring/

UStreamでリアルタイム中継されたビデオが閲覧できます。行きたくても仕事で、或いは遠くて行けなかった人は多いと思うので、これは嬉しいですね。
http://www.ustream.tv/channel/wocs2008spring

さて、群衆の叡智。いかにもキャッチーな言葉です。それ故に、私自身は正直言って、この言葉自体は、眉に唾つけて見ているところがありまして、スロウィッキーさんの原著(Wisdom of Crowds)も訳書(「みんなの意見」は案外正しい)も読んでいないモグリです。で、今回のWOCSには、「一体みんな、Wisdom Of Crowdsってどういう意味で使ってるの?」という疑問を持って参加しました。

たぶん、WOCの議論の中でキーとされているのは、群衆の叡智が機能するために満たされているべき4つの条件、なのでしょう。
1.意見の多様性
2.独立性(他者の考えに左右されないこと)
3.分散性(身近な情報に特化し、それを利用できる)
4.集約性(個々人の意見を集約して集団の一つの判断にするメカニズムの存在)

これに対する私の感想は、少なくとも1〜3は何もWOCに限った話ではないだろう?ということ。そしてそれらを集約するメカニズムとして「専門家」という思考装置を用いる場合は、WOCという概念は適用されないのか?ということです。また、仮に正しい(らしい)答えを導くことのできる法則性を持ったアルゴリズムを発見できて、それを利用した集約メカニズムを構築としたとしましょう。・・・あれ?それって「専門家の叡智」じゃないの?と。

結局今回のWOCSではこの辺りの疑問は解消されないままでした。もっと突っ込んだ議論を聴きたいなぁ。

あと、折角聴衆とのインタラクティブ性を持とうとしていらっしゃるのですから、私のような者からも疑問を投げかけられるようにしていただければ良いな、と思います。